明日、世界が終わるとしても、僕たちは未来に希望の種を撒く


「――結局はそういう運命だったってことだろ」

新島 清治  Niijima Kiyoharu

ブロクナイル症候群に冒された青年。

物事に対して虚無的な態度を取り、発する言葉はどこか棘があり悲観的なものが多い。

自分を絶望の縁に陥れた運命に対して、心の片隅では憎悪を抱いているが、それを行動に移す

ようなことはしない。

それは、残酷なまでに強大な運命という存在に対して、たったひとりの人間が敵うはずがない

ということを、彼は身を持って知っているからだ。

「アタシは、いまこの瞬間を、全力で生きたいの! 」

進藤 美紗  Shindo Misa

ブロクナイル症候群に冒された少女。

面白そうだと思ったことは即実行。理屈より直感で生きるタイプの活発な女の子。

悪魔のような病を抱えていても、人前で悲愴を漂わせるようなことはない。

思い付きで行動することが多いため、周囲を振り回すこともしばしばだが、

彼女の楽しそうな笑顔を見れば、ネガティヴな感情など吹き飛んでしまう。

今日もきっと、彼女はどこかで笑みを浮かべているのだろう。

「――その、ごめんなさい......」

鴫原 夕凪  Shigihara Yuna

都内の高校に通う高校生で、清治の幼馴染みであり、進藤のクラスメイト。

自分に自信がなく、二言目には謝罪の言葉が出てくるほど弱気な性格。

もともと控えめな性格ではあったが、自身の長所を見出すことができなかったせいで、

思春期に突入してからは、その傾向に拍車がかかった。

都内の実家では小型犬を飼っているが、動物に対しても消極的なせいで、

飼い犬からは精神的にも物理的にもすっかりナメられている。

「んー、たぶんイけるっしょ! 」

天本 かすみ  Amamoto Kasumi

超能力対策本部公安部公安第一課の課長を務める女性。

とらえどころのない性格をしており、日頃から軽々しい言動が目立つが、

これでも一国家機関の課長を務めるスーパーエリート。

だが、休日にはスウェットにサンダル姿で出かける彼女には、

威厳のかけらも見当たらない。

「課長。お言葉ですが、少々余談が過ぎるかと」

高峰 典史  Takamine Norifumi

超能力対策本部公安部公安第一課に所属する男性職員。

表情に乏しく、職場で彼が笑っている姿を見たものはいないという。

普通の人間なら逃げ出したくなるような激務下においても、

平然と業務をやってのける彼であるが、直属の上司である天本に対しては、

その対応に、少しばかり手を焼いているようだ。 

「わたしってば、優秀ですっ!」

皆神 玲子  Minakami Reiko

ブロクナイル症候群に冒された小学生の女の子。

特別職員たちが暮らす寮では、最年少ながら寮長を務めるしっかり者で、

自ら進んで上級生たちの面倒を見ている。

言葉遣いや立ち振る舞いはとても丁寧であるが、他人にからかわれる(主にゲンさん)

とすぐに感情的になってしまう。頼りがいのある淑女の道のりまだ遠いようだ。

「よお、相変わらずシケた面してんじゃねェか」

ゲンさん  Gen-san

ブロクナイル症候群に冒された高校生の男の子。

見た目は厳めしく、口調はぞんざいで荒々しい。おまけに怒りの沸点が

低いため、距離があるうちは注意が必要。

しかし、親しくなった相手には優しく、口ではとやかく言いながら手を差し伸べてくれる。

知能が高く頭の回転が速いため、よく玲子の上げ足をとっては、にやにやと笑っている。

「――私には時間がないの」

麗流鷲 雪華 Uruwashi Setsuka

ブロクナイル症候群に冒された高校生の少女。

自分に残された時間はわずかであると強く意識しているため、

彼女の行動は極めて効率重視。

食事はサプリメントがほとんどで、外見に気を遣うこともない。

基本的には一匹狼であり、口数も少ないせいか冷たい印象を受けるが、

特別他人を嫌っているわけではなく、単に無関心なだけ。

彼女にとっては、感情を動かすことすらも面倒事のひとつなのだ。

「そ、そうだと思います……」

樫本 梓奈 Kashimoto Azuna

ブロクナイル症候群に冒された中学生の少女。

元々臆病で控えめな性格ではあったが、自身の有する超能力もあいまって、

人と接することをひどく恐れている。

そのため、普段は自室に籠りきりであり、同じ寮のメンバーでも、

彼女の姿を見るのは稀だという。